更年期障害の治療ってどんなもの?代表的な3つの治療方法
女性は月経の周期が終わる50歳前後を更年期といい、約70%の女性に身体的・精神的不調が起こります。この更年期症状には個人差があり、軽い人もいれば、日常生活に支障が出るほど重い人もいます。
それでは、どの程度の症状であれば、病院で診察や治療を受けるべきなのでしょうか。また、更年期障害の代表的な治療方法である薬物療法と精神療法(心理療法)、食事療法とはどのようなものなのでしょうか。
更年期障害は何科に行くの?診療科が設置されていない病院もある!
まずは、更年期障害を治療してくれる病院を探しましょう。診療科は婦人科ですが、最近では女性専門外来を設けている病院もあります。
婦人科では、問診や内診だけでなく、血液検査、骨量・骨密度測定などの検査も行われ、特に、血液検査ではホルモン濃度を測定することで更年期障害かどうかの診断が可能です。また、最近では、産婦人科に更年期専門外来が設置され始めています。治療として最も多く行われるのは薬物療法です。
また、イライラやうつ病のような精神的・心理的な症状であれば心療内科に行きましょう。治療としては、カウンセリングなどを中心とした精神療法が行われます。
症状を正確に伝えるためには?上手な受診のコツは普段のメモ
どの診療科を受診しても、問診では必ず自覚症状について尋ねられます。そのため以下のような点をメモなどに整理をしておきましょう。特に、自覚症状は診断にも大きくかかわってきます。治療内容が変わってくることもあるため、普段の様子を正確に伝えることが大切です。
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<整理ポイント>
- どのような症状がどの程度あらわれるか
- いつ頃から始まったか
- 生理の状態(周期や出血の状態)はどうか
- 閉経している場合、いつ閉経したか
- 今までにかかった病気について
- 今かかっている病気について
- 現在飲んでいる薬やサプリメントについて
- 他の病院で診てもらったことがあるか
薬物療法にはどのような方法がある?代表的な4つの治療法
薬物療法で行われる代表的な治療法は、「ホルモン補充療法(HRT療法)」「漢方薬療法」「自律神経調整療法」「プラセンタ療法」の4つです。それぞれの特徴と効果を見ていきましょう。
ホルモン補充療法(HRT療法)の効果と副作用
ホルモン補充療法(HRT療法)は更年期に減少する女性ホルモンのひとつであるエストロゲンを薬剤で補う療法です。女性ホルモンを直接増やすことができるこの方法は、のぼせやほてりなどのホットフラッシュ、動悸、息切れなどの血管運動に伴う神経症状に大変効果的です。
しかし、エストロゲンだけを連続して補充すると、子宮内膜が厚くなり、子宮からの出血などが起こることがあるため、防ぐ役割として黄体ホルモン(プロゲステロン)を一緒に投与することがあります。どのように組み合わせるかは、年齢や閉経時期、子宮の有無など、個人個人によって異なります。
女性ホルモンを補充する方法としては、以下の3つがあります。
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<女性ホルモンを補充する方法>
- 飲み薬
- 貼り薬
- 塗り薬
また、補充する方法にもよりますが、副作用が起こる可能性があります。身体が治療に慣れてくるまでの1~2か月間に発生し、その時期を超えるとほぼ治まります。また、薬剤の使用頻度や量を調節して改善することもできます。
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<代表的な副作用>
- 不正出血
- 乳房のハリ
- 下腹部の痛み
- 吐き気
- 子宮体がんリスクが高まる
さらに、更年期障害の症状の緩和や軽減のためのホルモン補充療法(HRT療法)は医療保険が適応されます。そのため、経済的な負担も軽く済みます。
漢方療法で使われる3大漢方薬
漢方療法は、ホルモン補充療法(HRT療法)よりも前から取り入れられていた治療法です。更年期症状を改善しながら、女性ホルモンの減少に対応できる身体を作ることが目的です。効き目は緩やかですが、副作用が少ないため長期に服用することができます。
よく用いられている漢方薬は、以下の3つです。
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<3大漢方薬>
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):体力があまりない人向け
- 加味逍遙散(かみしょうようさん):体力が中程度の人向け
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):比較的体力がある人向け
漢方療法は、複数の症状に対して効果が現れることが特徴です。ただし、漢方薬は個人の体質や体格などを考慮して処方されるため、相性が合う場合は症状が改善されますが、合わない場合は、ほかの漢方薬に切り替えるなどの対応が必要となります。
また、漢方薬は、病院の医師が処方した処方箋があり、かつ、厚生労働省が認可している148種類の生薬であれば医療保険の適用内ですが、漢方薬局で薬剤師が処方した漢方薬や約100種類ほどある認可外の生薬を含むと、医療保険の適用外となります。自分の症状に合わせてうまく活用しましょう。
精神的な症状にはそのほかの薬物療法
おもな薬物には以下のものがあります。
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<そのほかの薬物>
- 睡眠導入剤:不眠症状
- 抗うつ剤・抗不安剤:頭痛やうつ、イライラ、不安など
- 自律神経調整薬:ホットフラッシュ、肩こり、手足の冷えなど
美容だけではないプラセンタ(メルスモン)療法
美容成分として知られるプラセンタですが、病院でも注射投与(皮下または筋肉)することのできます。病院で使用されるプラセンタ(メルスモン)は、動物ではなく、ヒトの胎盤を原料とし、より多くのアミノ酸やミネラルを含んでいます。
製造過程でホルモンやタンパク質はすべて除去されるため、ホルモン製剤ではありませんが、更年期障害の保険適用薬として認められています。
しかし、食品と同様に、アレルギー反応が出ることがありますので、注意が必要です。また、同様の理由で、プラセンタ(メルスモン)を注射すると献血ができなくなります。これは、ヒトの胎盤から製造されている製剤のため「特定生物由来製剤」に指定されており、理論上、感染症のリスクを100%否定することができないからです。
精神療法(心理療法)とは?おしゃべりも治療のひとつ!
薬剤を服用するだけでなく、カウンセリングを受けたり、心理的なケアをしたり、心身をリラックスさせることも症状を緩和させる効果があります。看護師や医師に相談するだけでも、症状がかなり改善されることも多いのです。
専門的な精神療法では、行動認知法が採用されています。行動認知法は、自分の思考や行動のパターンを知るためのひとつの手段です。長所や短所、悩みなどを洗い出し、まずは、自分自身を見つめ、考え方の方向性を変えてみましょうという試みです。そして、毎日の生活を振り返り、生活のリズムを整えるために、楽しいことを優先に行動するよう意識づけをします。
食事療法や生活改善の効果は?今後の予防や軽減につながる!
更年期障害は、日頃の生活習慣が原因で、悪化することがあります。普段の生活習慣を見直すことも、症状を緩和させることに役立ちます。
日常生活を改善すると症状も緩和する
特に、睡眠不足や運動不足は、更年期症状にも大きく影響しています。
不眠や寝つきの悪さも更年期障害のひとつですが、その状態が長く続くと疲れがたまり、心理的・精神的な症状が出やすくなりますので、十分な睡眠を取るようにしましょう。
また、適度な運動は、呼吸を深くし、血液循環を良くします。運動は疲労の原因とは思われがちですが、エネルギー量の増加は逆に、疲労しづらい身体を作ります。眠りやすくもなりますので、定期的な運動を取り入れましょう。
さらに、喫煙(副流煙含む)は、更年期障害が発生する時期を早め、症状を悪化させます。喫煙者本人だけではなく、家族など身近な人にも影響を及ぼしますので、禁煙をお勧めします。
食事生活の改善はホルモンバランスや自律神経も整える
更年期になると、食べ慣れたもの以外は食べない傾向があります。そのため、不足しがちな栄養分がとれず、症状を悪化させることも少なくありません。更年期は高血圧や糖尿病などの生活習慣病を発症しやすい時期でもありますので、食生活をきちんと見直し、改善することが大切です。
ストレスの解消とリフレッシュで心も健康に!
ストレスを受けると、さまざまなストレスホルモンを分泌され、循環器系や呼吸器系、消化器系、免疫系などに影響するため、更年期障害を悪化させる原因となります。そのため、自然に触れたり、旅行をしたり、趣味などで気分転換をし、ストレスの解消に取り組みましょう。
市販のサプリメントは入手しやすくお手軽!
更年期で治療まで必要としない軽いものであれば、サプリメントを利用してみることもひとつの方法です。大豆イソフラボンやプラセンタなどがあります。
まとめ
更年期障害の治療は、大きく婦人科で行われる薬物療法と、心療内科で行われる精神療法に分けることができます。それぞれ、治療法や薬剤の種類も異なりますので、治療を受けるかどうかを正しく判断するためにも、それぞれの治療方法について詳しく知っておくことがとても大切です。
また、更年期障害の初期段階や、症状が軽い場合などは、日常生活や食生活の見直し、サプリメントの服用で症状を緩和し、改善できることも多くあります。まずは、セルフケアを始めてみることも大切です。
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