更年期障害にホルモン補充療法(HRT)は効くの?副作用や費用は?

女性は更年期が近づくと卵巣機能が低下し、卵巣から分泌される女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの分泌が急激に減少します。エストロゲンの急激な減少に身体が対応できず、頭痛やめまいなどの症状を引き起こします。

このような更年期症状の治療方法には、大きく分けて薬物療法と心理療法があります。

現在、治療方法として主流となっているのは、ホルモン補充療法です。HTR(HormoneReplacementTherapy)とも呼ばれます。更年期症状を引き起こす女性ホルモンの減少に対する根本的な治療方法です。ここでは、より詳しくその効果や薬の種類、副作用などを説明します。

ホルモン補充療法とは?欧米では更年期障害の標準的な治療法!

ホルモン補充療法は、エストロゲンの急激な低下に対して必要最低限のホルモンを補充する治療法です。ホルモンを補充することにより、その急激な変化を緩やかにすることができ、閉経したあとのホルモン環境に対応できる身体を作るための療法です。

また、子宮を有する場合には、エストロゲンだけでなく、黄体ホルモン(プロゲステロン)も一緒に投与します。

昨今、日本でもホルモン補充療法を取り扱う医療機関が増え、更年期障害の治療法として浸透しつつあります。欧米では、すでに20年もの実績があり、もっとも標準的な治療法です。

ホルモン補充療法は自律神経に効く!ホットフラッシュは特に効果的!

ホルモン補充療法により、以下の症状が改善されます。

    <ホルモン補充療法が効く症状>

  • ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり)、発汗などの血管運動系の症状の改善
  • 動悸や知覚異常など自律神経系の不調の改善
  • 皮膚の乾燥やかゆみなどの改善
  • 骨粗しょう症の予防と改善

治療の効果は治療を開始した数日後に実感できることが多く、のぼせやほてりなどのホットフラッシュや、発汗異常などの血管運動神経症状には、治療を開始して比較的すぐに効果が期待できます。

また、自律神経失調症状から引き起こされる、めまいや耳鳴りなどの症状を軽減する効果があります。そのほか、皮膚の乾燥やかゆみの改善、血液中のコレステロール増加を抑制、骨粗しょう症の発症予防に対しても良い効果があります。

ただし、ホルモン補充療法は、エストロゲンの低下が原因である症状にしか効果は期待できません。そのため、不眠やイライラなどの精神的・心理的な症状には、漢方療法やカウンセリングなどを併用していく必要があります。

ホルモン補充療法の薬の形状は3種類!体質によって使い分け

医師が処方する薬は、飲み薬(経口剤)、貼り薬(パッチ)、塗り薬の3種類があります。

飲み薬(経口剤)のメリットとデメリット

口から錠剤を飲む方法です。薬剤は胃腸から吸収され、肝臓を通って血液中に入ります。そのため、胃腸や肝臓に負担がかかることがあり、胃腸の調子が悪いと利用することができません。

錠剤には以下の3種類があります。

    <錠剤の種類>

  • エストロゲンの単剤
  • 黄体ホルモン(プロゲステロン)の単剤
  • エストロゲンと黄体ホルモン(プロゲステロン)を配合した配合剤

錠剤投与の標準的な方法は、エストロゲン剤とプロゲステロン剤の連続服用です。飲み始めのころは不正出血が起こる場合もありますが、服用を続けているとやがて出血はなくなります。また、手術などで子宮を摘出された方は、エストロゲンのみを連続服用します。

貼り薬(パッチ)のメリットとデメリット

貼り薬(パッチ)を週に2回ほど下腹部に貼る方法です。皮膚から直接エストロゲンが吸収され、血液の中に取り込まれます。飲み薬と異なり、胃腸や肝臓に負担をかけないという利点があります。しかし、人によっては、かゆみやかぶれなどの皮膚症状が出ることもあります。通常、生理のような出血はみられません。

    <貼り薬の種類>

  • エストロゲンの単剤
  • エストロゲンと黄体ホルモン(プロゲステロン)を配合した配合剤

塗り薬のメリットとデメリット

ジェル剤を塗ることで皮膚から血中にエストロゲンを取り込む方法です。貼り薬と同様に、皮膚から直接取り込まれ、血液中に入り込みます。そのため、飲み薬よりも胃腸や肝臓への負担が軽いのですが、かゆみやかぶれなどの皮膚症状が出ることがあります。

    <塗り薬の種類>

  • エストロゲン単剤

他の薬と併用して服用できる

一般的には、風邪薬や頭痛薬、高血圧の薬など、ほかの薬を併用されても問題はないとされてますが、併用する薬がある場合は、医師、もしくは、薬剤師へ相談をするようにしましょう。

ホルモン補充療法はいつ始めていつまで続けるの?個人差に注意!

ホルモン補充療法はいつから始めると良いのでしょうか。また、始めたら、どのくらい続けるのでしょうか。症状に個人差があるように、治療の時期や期間にも個人差があります。

ホルモン補充療法の開始時期

一般的には閉経直前のころが良いとされます。しかし、すでに閉経後何年か経っていたとしても、それ以降の老化を緩やかにさせる効果は期待できますので、治療を開始するメリットは十分にあります。まずは、1か月~半年くらいを目途に治療を受け、体調が良いようならそのまま続け、あまり変化がないようなら止めるということもできます。

ホルモン補充療法の終了時期

更年期症状だけを抑えたいのであれば、更年期の時期だけ続けます。つらい症状が治まり、日常生活を快適に過ごすことできると感じたときが止めるときです。個人差はありますが、治療を始めて2~3年、長くても5年くらいで終わります。

ただし、骨祖しょう症や動脈硬化の治療のために治療を行っている場合は、途中で止めてしまうと治療効果がなくなってしまいます。薬剤は量を増減することができますので、定期健診の際などに医師と相談をし、メリットとデメリットを理解した上で、判断できるようにすることが大切です。

治療を始める前に受ける検査は?人間ドックの結果も持参しよう!

ホルモン補充療法を始める際には、血圧や体重測定のほかに、あらかじめいくつかの検査を受けなければなりません。また、治療中も定期的に検査が行われます。

    <治療前に受ける検査>

  • 血液検査:貧血検査、肝機能、腎機能、血糖、脂質、各種ホルモン値
  • 子宮がん検診:細胞診(頸がん、体がん)
  • 超音波検査:子宮、卵巣所見
  • 乳がん検診:乳腺外来(外科)
  • 骨密度測定:X線検査(放射線科)

そのほか、服用している薬や生理周期もメモしておきましょう。両親の病歴も知っておくと良いです。また、人間ドックの結果や基礎体温表があれば、さらに正確な診断の参考になります。

ホルモン補充療法に副作用はあるの?治療を受けられない人もいる!

使用する薬剤により、副作用のリスクは異なりますが、身体が治療に慣れるまでの1~2か月間にほぼ治まります。なかなか治まらない場合には、ホルモン量を調節するなどの対応をします。

副作用には具体的にどのような症状があるの?

おもな副作用には以下のような症状が挙げられます。

    <おもな副作用>

  • 不正出血
  • 乳房のハリや痛み
  • 下腹部の痛みやハリ
  • 頭痛や吐き気

どのような症状であっても軽視せず、必ず医師に相談をし、薬剤の量の調整や飲み方、塗り方などの助言を受けるようにしましょう。

子宮体がんと乳がんの発生率が高くなるのは本当?

エストロゲンだけを連続して補充していると、子宮からの出血などの副作用を伴い、子宮体がんの発生率を高める可能性があります。そのため、黄体ホルモン(プロゲステロン)を併用投与することにより、その可能性を失くしています。

乳がんについては、国際閉経学会などの専門機関が解析を行い、女性ホルモンの投与により乳がんのリスクが高まるという説は否定されています。、また、何年間までなら投与してよいなどのような期限をつける理由も見当たらないと結論付けています。

ホルモン補充療法を受けてはいけない人とは?

ホルモン補充療法が重大な副作用を引き起こさず、安全かつ適切に行うために、2009年、日本産科婦人科学会と日本女性医学学会からホルモン補充療法ガイドラインが出され、現在は、その改訂版であるホルモン補充療法ガイドライン2012年版が使用されています。

その中で、ホルモン補充療法を受けてはいけない症例が提示されています。

    <ホルモン補充療法を受けてはいけない人>

  • 重度の肝臓疾患のある人
  • 乳がんおよびその既往のある人
  • 原因不明の性器出血のある人
  • 妊娠が疑われる人
  • 血栓性静脈炎、血栓塞栓症とその既往のある人
  • 冠動脈疾患の既往のある人
  • 脳卒中の既往のある人

ホルモン補充療法の費用はどのくらい?医師の処方薬には保険適用!

診療費や薬剤、処方箋料を加えて、合計で約1万円程度です。更年期症状に対する治療には保険が適用されるため自己負担額はこのうちの3割、つまり約3千円となります。

ただし、骨祖しょう症の予防や美容目的などでの使用には保険は適用されません。自由診療で行う場合は、数万円ほどかかることがあります。

また、保険診療と自由診療を併用する混合診療は禁止されていますので注意が必要です。

まとめ

ホルモン補充療法は、更年期に起こるすべての症状に有効な治療ではありませんが、多くの症状に有効な結果をもたらします。しかし、個人差もあるため、メリット・デメリットをよく理解し、医師からホルモン補充療法を提案された際には、きちんと判断をすることができるよう、十分な知識を持つことが大切です。

また、治療中も分からないことや不安なことがあれば、その悩みを抱え込んでしまわず、医師に相談するようにしましょう。身体や心の状態、そして、症状との向き合い方を考え、治療方法を選ぶようにしましょう。

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